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CFC LPG産業版
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企業経営は常に「危機」と隣り合わせ
LPガス販売の現場の危機管理が重要に
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中川 順一

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 ガス販売事業者にとっての「危機」とは、事故や災害などであることは言うまでもありません。そして企業である以上、商取引や社内外での社員の活動でのトラブルの可能性も常にあり、その対応を誤ると企業にとっての大きな「危機」となる場合があります。今回の小型ガス湯沸し器をめぐるトラブルも、仮に「売っただけ」であっても、対応を誤れば企業としての大きな「危機」となります。
  ガス販売事業者にとっての「危機管理」とは、「危機」を単に保安面だけでとらえず、クレーム対処など顧客対応や労務管理、世の中に対して「どう説明していくのか」といったことを総合的にとらえたしくみづくりのことだと考えるべきでしょう。
  コスモ石油ガスでは既に、LPガス販売事業者の危機管理についてのQ&Aをまとめ特約店向けに配布しています。ここでは、LPガス販売事業者の危機管理のポイントについて、同社の「LPガス販売店のための危機管理Q&A」より抜粋して整理してみました。
危機管理のポイント/「危機」とは何か
〜保安ばかりでなく営業や労務管理等さまざまな「危機」が存在する
危機管理とは、具体的にはどのような危機を想定するのですか?
企業の危機管理とはとても広い範囲にわたっています。そのことが生じたことにより、あるいは対応を誤ったことにより、業績が大きく落ち込んだり、企業の存続が危ぶまれるような事態は、すべて「危機」であり、それが生じた場合の対応、生じさせないための予防策などをすべて危機管理と考えてよいでしょう。

《LPガス販売の現場の危機管理》
● 保安面での危機管理
  これは言わずもがなのことで、保安管理は危機管理そのものです。また、法令を守っていれば良い、ということだけではなく、仮に消費者ミスであったとしても、事故発生の対処や近隣や他のお客様への対応などについてもどうすべきかを想定しておくことも危機管理となります。
● 災害時の危機管理
  大地震など大災害発生時の対応について、緊急出動や事故処理・緊急点検などといった保安管理に加え、社内の連絡・出勤体制を含めて検討しておくことも危機管理となります。
● 営業上の危機管理
  顧客争奪戦が激しい一部地域では、業者間の中傷合戦や威圧行為なども報告されています。恐喝など暴力行為への対応はもちろんのこと、悪質業者の攻撃を想定した対応策を事前に準備しておくことも危機管理となります。
● 労務管理上の危機管理
  労働基準法の改正などにより、仮に問題行動がある社員であっても、どのような場合に解雇することがあるのか就業規則等に明示されていないと解雇はできないなど、企業側からの一方的な解雇は難しくなっています。労務管理上のトラブルを防ぐための諸規定の整備なども大切な企業の危機管理となります。
危機管理マニュアルでポイントをおさえる
危機管理体制を確立するためには、まず何をするのですか?
第一ステップは、危機が発生したときの対応を整理した「危機管理マニュアル」を作成することです。本格的なマニュアルづくりは大変な作業となりますので、最初はまず以下のポイント(危機管理マニュアルのポイント)だけ取り決めておき、社内に周知しておきましょう。
「お客様への報告」を行ってはじめて対応が終了する
すでにガス事故発生などを想定した緊急時対応マニュアルがあります。改めて危機管理マニュアルを作る必要はあるのですか?
前述したように危機はガス事故発生に限りません。
また、緊急時対応などガス事故対応マニュアルの多くは現場での対応や社内体制、行政等に対する対応などが主となっていますが、危機管理マニュアルはそれに加え、企業としての危機を回避することが目的となります。したがって危機発生時の近隣やお客様、取引先への連絡や報告についても想定しておく必要があります。

《危機管理マニュアルのポイント》
●  緊急事態発生時の社内連絡体制  
  (情報伝達方法)
● 情報のとりまとめ場所・担当者
  (その場所・担当者が事故にあった場合も想定し、第三候補者まで)
● 意思決定の最終判断者
  (決定者が事故にあった場合も想定し、第三候補者まで)
● 関係機関の連絡先リスト
  (行政、司法、業界など。できれば担当者名まで)
● 専門家の連絡先リスト
  (法務、税務、労務、医療等)
● 災害等想定される緊急事態での対応フロー
  (処理の流れ)

ガス事故対応マニュアル→事故の処理、警察・消防への報告まで
危機管理マニュアル→事故の処理、行政・司法のほか、お客様、取引先への連絡や報告まで