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「総合エネルギーショップは “何でも屋”だ」批判に応える
「総合」が嫌なら、「複合」と言い換えてもいい

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株式会社ノラ・コミュニケーションズ
中川 順一
 

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 これからのLPガス販売店は、ガスも電化も扱う総合エネルギーショップをめざすべきだ……という提案に対して、「ガスはガス屋、電気は電気屋。何でも扱う“何でも屋”はうまくいくはずがない」と批判する人がいる。はたしてこの批判は、的を射ているのだろうか。

 人口減少や省エネルギーによる需要の減退、エネルギー間競合の激化という現実の中で、LPガス販売店のめざすべき方向については、さまざまな議論があり、いろいろな意見がある。「ガスも電化も扱う総合エネルギーショップをめざすべきだ」論は、その考え方のひとつであり、別に「そうではない」という意見があっても一向に構わない。電化をやればガス屋さんは絶対に生き残れると保障するわけでもないし、電化をやらないガス屋さんがあってもいい。こういう言い方を無責任だと言うならば、「ガスはガス屋、電気は電気屋。何でも扱う“何でも屋”はうまくいくはずがない」論も検証できるまでは無責任だし、「うまくいくはずがない」と信念を持って論ずる人がいるならば、私も、信念を持って「ガスも電化も扱う総合エネルギーショップをめざすべきだ」と言う。

 「何でも屋」批判をする人は、「ひと昔前のよろず屋」や「田舎の食堂」を例にする。日用品も食品も本や雑貨もなんでも置いたひと昔前のよろず屋や、ラーメンもカレーも鮨も出すような田舎の駅前食堂は、いまの人に支持されないではないかと言う。しかし彼らは、「街角の何でも屋」であるコンビニや、「ラーメンもカレーも鮨も出す」ファミリーレストランのことは例にしない。

  「ひと昔前のよろず屋」や「田舎の食堂」を批判する人は、それらは何でもあるが、すべて中途半端だからダメだという。やるならチェーン化されたドラッグストアやファミリーレストランぐらいに、本当に何でも扱う店にならねばならないと言う。私は言う。じゃ、そうなればいいじゃないか、と。

  「ガスも電化も扱う総合エネルギーショップをめざすべきだ」論は、「家庭のエネルギー利用の“何でも屋”」となろうという呼びかけだ。「エネルギー利用の“何でも屋”」だから原発まで扱えと言う人がいたら、それは因縁だ。鮨を握るのならちゃんと修業しろというのと同じぐらい、ガスも電化も、きちんと知識と資格を持ち、「チェーン」とは言わずとも、ネットワークにより商品も工事体制も整えれば、立派に「本当に何でも扱う店」となる。

  あれもこれもやると言ったって、客は来やしないと言う人がいる。それはそうだろう。しかし、「総合エネルギーショップ」は、「ガスしかできない」というのではなく、「家庭のエネルギー利用」ならば、「ガスであろうと電化であろうと対応します」と答える店のことだ。「これしかできない」という店と、「どちらもやる」という店と、お客様にとってどちらが親切かということだ。ガスでも電気でも、両方の組み合わせでもできる、つまりは「複合・融合」提案ができるということである。「両方やる店は信用できない」という批判は、ガスと電化を敵対するものとして見ている業者の言い分で、お客様は安くて快適に風呂が使えるのであれば、どちらでもいいし、両方がミックスされてもいても構わない。

  ガスがダメだから電化に乗り換えるのではない。「総合エネルギー」が気に入らないなら、「複合エネルギーショップ」と言い換えてもいい。もっとも、お客様はそんな言い回しのことなど、気にもしていないだろうけれど。(2010年6月3日 キョウプロ会総会講演「エネルギーはベストミックスで」より)

お客様にとって便利な店が生き残る
肉が人気だからといって八百屋がいきなり肉屋になっても儲からない。八百屋が店先にいきなり松坂牛を置いても売れやしない……そんなことはわかっている。
だが、八百屋でジャガイモとニンジンとタマネギを買う人がいたら、「奥さん、今晩の献立はカレーですか」と聞き、「カレー粉と豚肉も当店にありますよ」と勧める店は、お客様にとって親切で便利だろうということだ。
街の八百屋が生き残るには、日本一安く野菜を売るか、無農薬や産地にこだわるか、夕飯の支度が揃う店になるかしかない。ガス販売店に置き換えれば、3番目の選択肢が、総合エネルギーショップへの取り組みということである。

2010年6月10日、ダイキン空調神戸主催の講演
「LPガス事業者向け電化セミナー」より

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